第5回 東日本大震災復興支援ウォーカソン実施報告

今年も5月2日(土)を利用して、東日本大震災の復興支援のために、ウォーカソンを行いました。

5月8日(金)の時点で

スポンサー数 1,260名
募金金額 811,205円

という多くの方のお気持ちが集まりました。

たくさんのご協力とご支援、心から感謝申し上げます。

 今回で5回目となる東日本大震災復興ウォーカソン。震災があった1,2年目は「被災された方への支援」という形で行っていましたが、3年目からは「復興のための支援」へと変わり、遠く離れた私たちに何か出来ることはないかと考えた末、今年も『忘れない…3.11』をテーマに、生徒会が中心となって、教員・保護者・生徒合計60名(サポート含)は、網野聖堂→峰山教会→大宮聖堂→岩滝聖堂→宮津教会(距離にして36.2km)を巡礼し、被災地のことをそれぞれが思い、祈りながら歩きました。

 東日本大震災から4年経った3月11日。復興の歩みと現状がニュース等で映し出されました。復興が進み、元の生活に戻ってきている都市部と、そうでない場所に差があること、また未だに多くの方が仮設住宅を含む避難生活であることが、昨年と変わらず映し出されていました。また福島県では原子力災害に伴う帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域を抱えているため、復旧・復興状況は岩手、宮城両県に比べ遅れていることも知りました。そして同時に自分たちの心の中で、東日本大震災が少しずつ過去のものになりかけていることにも驚きました。現地に赴いた方の話では、行政が入っていない場所は震災当時のままの姿になっており、復興し、活気づいている場所と、そうでない場所の差が年々拡大し、そのことが深刻な課題だとも聞きます。また、原発問題は未だ大きな進展はなく、まだまだ復興には程遠い現実があると思います。そして、遠くにいる私たちには伝わっていないことがたくさんあるように思います。その中で、継続して支援することはとても大事なことで、私たちの周囲には今も自分のできる範囲のところで支援を継続している人もいます。その一人一人の小さな力が東北の復興をゆっくりと押し進めているのだと思っています。
これまで京都暁星高等学校では、物資をはじめ様々な支援をしてきましたが、私たちはその中で「継続して取り組むこと」、そして「現実から目をそらさず、まっすぐに向き合うこと」の大切さを感じました。今も苦しんでおられる方の完全復興まで、忘れないでいつも心にとめることが大切なのだと思います。それを形に表したものとして、毎年5月2日に暁星高校が東日本の為にウォーカソンをすること。暁星高校ならではの自分の労力を差し出す形でこれからも支援し続けて、全員が様々な形で支援に関わることを大切にしたいと考えます。【2015年度 趣意書より抜粋】

当日は朝から天候にも恵まれ、早朝にも関わらず教会の方が網野聖堂を開放してくださり、私たちの出発を温かな声援で見送ってくださいました。今年は例年より多い32名で出発しました。8:15から行われたお祈りで、校長先生から「今年は、福島への支援を行う予定です。感謝と賛美の祈りだけではなく、知る祈りを大切にして欲しいと思っています。」と話され、実行委員の生徒からは「私たちにできることは小さいですが、ただ歩くのではなく東北の方を思いながら歩くことをしていきたい。」と呼びかけがありました。また、出発直前にはジラール神父様より「無事に宮津へ辿りつくように」と祝福を私たちのために与えてくださり、温かな気持ちで出発することができました。

網野聖堂では、『東日本大震災被災者のための祈り』(2011.3.11 東日本大震災を受けて「祈りをともに」より)を祈りました。

この日の気温はすでに28℃を超え、途中暑さを感じながらも予定通りの足取りで教会に到着。峰山教会でも多くの方が温かく迎えてくださり、疲れた体と心が癒されました。また、生徒が持参した万歩計を確かめると、すでに1万2千歩を超えていました。

ここでは、福島原発に関わる方々のために祈りました。

「福島原発に関わるすべての方々への祈り」
福島原発に関わっている、すべての方々に祈ります。
特に、福島原発で放射能を被ばくしながら、命を懸けて懸命に復旧作業をされている方々が、これから先、事故無く安全に作業が進むように祈ります。福島の方々の痛みを忘れることなく、できることを通して、支えることができますように。

 大宮聖堂に着く頃には、日差しが強い中での道のりで、暑さや足の痛みでメンバーの表情も険しくなっており、疲れが見え始めました。万歩計の数字も一気に進み、この時点で2万2千歩を超えました。卒業した先輩方も駆け付けてくれて、たくさんの応援に気持ちが楽になりました。ここから、大宮聖堂から歩くメンバーが28名合流し、一緒にゴールとなる宮津聖堂を目指します。昼食後のお祈りでは、復旧の格差について改善を願い、祈りました。

「復旧の格差について改善を願う祈り」
 父である神よ、全ての人に限りないいつくしみを注いでくださるあなたに、希望と信頼を込めて祈ります。東日本大震災がおきて4年、岩手・宮城は少しずつ、復旧や復興状況が進み、元の場所に住むことができる人が増えています。福島は岩手・宮城県に比べ復旧が遅れており、震災の時の厳しい状況のままです。元の場所に住みたくても住めない人がおられ、毎日仮設住宅で不安な日々を暮らしておられます。国の復興支援担当者は、この現実をしっかり受けとめ、地に足のついた取り組みをされますように。また、復旧の格差がなくなりますように。

【岩滝聖堂】  1630

毎年の山場、12.6kmを歩く大宮聖堂から岩滝聖堂までの長い道のり。新緑の清々しい水戸谷峠の景色に癒されながらも、足は段々とむくみ始め、体のあちこちに痛みを感じながら、ようやくたどり着いた岩滝聖堂。万歩計もついに4万歩に達しました。岩滝聖堂でも、多くの方が早めから私たちの到着のために準備をしてくださっており、このウォーカソンという活動は暁星高校だけでは出来ない活動だと、改めて感じます。

ここでは、風評被害で苦しんでいる方々のために祈りました。

「風評被害で苦しんでいる方々のための祈り」
震災から4年がたった今なお、風評被害により多くの農業、漁業に携わる方が苦しい思いをされています。その風評は、生産者側の苦悩、消費者側の不安という形で、お互いを隔てる大きな壁となっています。厳しい現実を目の前にしながらも、そこに向かい、立ち上がってこられた第一次産業の方々の思いと痛みを、まずは知り、受けとめ、祈ることができますように、主よ、私たちをお導きください。

 最後の区間は、巡礼の意味を再認識し、岩滝聖堂からはみんなで沈黙を守って、それぞれが祈りを込めながら歩きました。ゴールとなる宮津教会では、教会の方々や、多くの保護者の方々、教員に拍手で迎えられながら、全員無事到着。万歩計の数字も、約5万2千歩という凄い歩数となりました。最後は私たちを強めていただく祈りをおこない、それぞれが自分たちの心の中に感じたものを持ち帰り、家路に着きました。

「私たちを強めていただく祈り」
 震災が起きてから4年が経ちました。今なお放射能により、手つかずのまま残っている地域や、そこへ戻ることができず苦しんでいる人々、復興に取り組んでいる人々など、すべての人に希望と安らぎを感じられることができますよう、私たちはこれからも祈り続けます。
 先輩たちから受け継ぎ、続けてきた暁星高校の様々な支援を、これからも繋ぎ続け、目に見える復興だけではなく、見えないところで苦しんでいる人に最後まで寄り添い、ともに歩んでいけますように。また関心を持ち、京都暁星高校のみんなの祈りと具体的な支援を通して、東日本の方々に、希望や活力を届けることができますように、私たちを強めて下さい。

 皆様から頂いた募金については、福島県の有機農家の方が立ち上げておられる、地場野菜及び加工品直売所「えすぺり」の活動支援費として使わせていただく予定です。自分たちの手で立ちあがっておられる方の活動が、少しでも円滑に進むよう、また、その時々に必要な支援ができるように、大切にお渡ししたいと考えております。
また,カリタスジャパンからのネパール大地震(4月25日発生)への緊急支援要請を受け,今回の募金の一部を充当したいと考えております。

スポンサーとしてご理解・ご協力くださった多くの方々、各聖堂で支えてくださった方々、沿道から温かい言葉をかけて応援してくださった方々、多くのお支えに心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

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