校長講話 抄録

おはようございます。

  私はみんながしっかりした価値観を持った人間に成長していってほしいと願っています。自分の行為や、考え方、感情に一本筋が通っていることが大切です。自分は何のために生まれ、どういう生き方をするのかという自分の価値観や信念をはっきり持って生きることが大切なのです。あまり人に流されないということ。今風の言葉でいうと、「ぶれる」ことが少ない生き方です。他人の出方に左右されないで、自分らしく生きる。自分で考えて行動したいものです。

  今日は、マックス・ルケードというアメリカの牧師がつくった絵本の話を紹介します。

  木彫りの小人たちが住んでいる村がありました。パンチネロは、その一人でした。ある時、その村で鼻を緑色に塗るのが流行になりました。緑色の鼻がかっこいいというので、村の多くの小人たちが鼻に色をつけてもらうために専門の店に行きました。その店の前には行列ができるほどでした。「ぼくは木のまんまの鼻でいい」と最初は流行にのらなかったパンチネロでしたが、みんなが鼻を緑色にしているので、自分もやってみたくなって、ついに店に行き、鼻に色を塗ってもらいました。ところが、まもなく緑の鼻の流行は終わり、今度は鼻を赤く塗るのが流行り出しました。それで、パンチネロも鼻を赤く塗りましたが、何日かたつと、次は青い鼻が流行りだし、やがて流行は、ピンク色・黄色・オレンジ色・紫色と変わっていきました。パンチネロは流行を追って次々と色を重ねて塗ったので、もとの鼻の色がわからなくなってしまい、「ぼく、こんなこと、もういやだ。」と途方にくれました。
 

  この絵本のタイトルは、『きみは、きみらしく』という題です。まわりに流されやすい人間の姿を象徴していると思います。「みんながやっているから」とか「みんなが持っているから」という理由だけで行動するのではなく、それが本当に正しいことなのか、自分にとって価値あることなのかを考えて、ものごとを選んでいきたいものです。「きみは、きみらしく」は自分勝手にやるという意味ではありません。集団の中で、自分なりの役割をしっかり果たしていくことだと思います。お互いの関わりを大切にしながら、それぞれが自分を輝かしてほしいと思います。

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