校長講話 抄録

 おはようございます。

 1年前、2年前、どんな気持ちで入学試験に臨んだのか、思い出してほしい。水曜日から5日間も休みです。休みといっても学習には休みはありません。有効に時間を使ってください。

 今週は入学考査があります。

 さて、以前に何かで読んだ話を紹介してみたいと思います。16世紀にローマで人々に布教活動をしていた聖フィリポ・ネリという神父さんがいました。彼の教会の信者で、告げ口や悪口が好きな婦人がいました。彼女は何でもすぐしゃべってしまうという自分の癖を直そうとはしませんでした。そこである日、フィリポ神父は彼女にこう命令しました。「にわとりを1羽買って、その羽をむしりとり、羽を道にまき散らしながら教会に来なさい」これを聞いた彼女はおかしいことを言う人だなと思いましたが、主任神父さんの命令なので、言われたとおりににわとりの羽を道にまき散らしながら教会に戻ってきました。すると神父さんは「今度はまき散らした判をみんな拾ってきなさい」と言いました。この命令にびっくりした彼女は「とてもそんなことはできません。まいた羽は風で飛ばされてどこにいったのか分かりません」と答えました。すると神父さんは次のように諭しました。「そうでしょう。これと同じように人を傷つける言葉も一度口から出ると羽のように飛んでいってもう取り返しがつかなくなるんですよ」これを聞いて婦人は深く反省し、それからは人の悪口を言わなくなったそうです。悪口を言わなければいいのですが、どうも人間の口や舌というのは厄介なもののようです。「舌を完全にコントロールできれば完璧な人間になれる」聖書シラ書5章にこんな箇所があります。

 自分の見解には確信をいだき、発言には一貫性を持たせよ。人の言葉にはすみやかに耳を傾け、答えるときはゆっくり時間をかけよ。はっきりした見解があれば、隣人に答えよ。さもなければ口に手を当てて何も言うな。名誉、不名誉も言葉次第。舌は身を亡ぼすもととなる。陰口をたたく者と呼ばれるな。舌で人をおとしいれるな。

「人の言葉にはすみやかに耳を傾けなさい」「人の話をしっかり聞く」ということです。「答えるときはゆっくり時間をかけよ」私たちはよく考えないで、なんでもすぐ話してしまうことによって誰かを傷つけてしまうことがあります。誤解を生んでしまうことがあります。友達同士のちょっとした言葉のトラブルで大きな事件起こってしまうこともあります。だから軽率なことを言わないように、軽い気持ちで言ったことがあっという間に飛び散って大変なことにならないようにしましょう。知らず知らずのうちに人から大切なものを奪ってしまわないようにしましょう。一番身近な「言葉」を大切にしていきましょう。

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