2018年度 入学式 挙行

​2018年4月9日(月) 桜の花びらが舞う中、入学式が挙行されました。

学校長 式辞

 今年の丹後の冬、海沿いの地域は積雪が多く、宮津・与謝地域は氷雨降る暗い厳しい冬でした。それでも春分を過ぎたころから、急に温かくなり、例年より早く桜が開花しているニュースを見て、自然のメカニズムに驚かされます。
 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。本校は、京都北部丹後で唯一のプライベートスクール、創立111年目を歩み始めたカトリックミッションスクールです。みなさんがこの学校を選ばれた理由は、それぞれにあると思いますが、私達は、みなさんを心から歓迎し、また「一人ひとりと向き合う教育」と看板に書かれているように、この出会いを大切にスタートしたいと思っています。
 環境が人を育ててくれます。ひとりの生徒が両親と学校見学に来た時、「僕は、この学校にする。」と決めました。新しくここ獅子崎の地に来て、16年目になりますが、「こんなにきれいに掃除されている学校で学んでいる人達は、きっといい人達だ。」と言って決めたのでした。この学校の創立者はフランス人です。ルイ・ルラーブ神父が宮津に来られ、宣教に明け暮れておられた時、時の宮津町長の要請があり、1907年カトリック宮津教会の敷地内で裁縫伝習所として本校の歴史が始まったのです。当時の教育の様子を見ると、礼儀・作法・あいさつ、履物は下駄でしたが、バラバラに置かれていると、生徒を呼んで、きちんと脱いで並べるようにと教えられたそうです。そして現在も創立当時からの伝統的な教育「まじめ・まっすぐ」の精神が引き継がれています。皆さんも何度かこの学校に来られ、上級生の様子を見られたでしょう。一人ひとりの生徒をていねいに大事に育てたいという願いから、先生方は生徒とともに歩みます。キリスト教の精神とは、「神様は、一人ひとりを良しとして創られ、世界でたったひとりのかけがえのない存在として、一人ひとりが持っている賜物、つまり能力・個性・性格・人間性など本人は十分気が付いていなくても、その良さを本人と共に発見し、引き出していくこと」を教育理念の中心に置いています。「どのようにして?」と思うでしょう。日々の学習ばかりでなく、委員会活動・クラブ・学校行事・各種の体験などあらゆるチャンスで体験するのです。先生からばかりでなく、上級生から見習うこともあるでしょう。日々の生活は祈り・美化・学習をモットーにしています。落ち着いた校内で安心して生活できるように意識しています。教科指導も一人ひとりの生徒のニーズに従って、理解できるまで指導がされ、実力をつけて、進路を決定していきます。
 さて、本校の入学式は聖書朗読から始まります。「求めなさい・探しなさい・たたきなさい」ということばです。みなさんの中には戸惑いも不安もあるでしょう。でも自分から求めてください。尋ねて下さい。質問してください。そして自分自身の願いに耳を傾けてください。新しい大地にまかれた一人ひとりの種が太陽の光を浴び、恵みの雨にうるおされ、強い風に吹かれても、たくましく育つように、私達は協力します。主役は君たちです。しっかり地に根を張ってください。人生で根を張る大切な時期の3年間をこの暁星で修行してください。聖書のことばや宗教の時間を通して、今までとは違う価値観にも出会って下さい。お互いを大事にしましょう。支えあい、助け合っていきましょう。又苦しんでいる人、傷んでいる人、それでも明るく乗り越えていこうとしている人達との出会いを大切にしましょう。愛は具体的なことなのです。さあみなさんが主人公です。一緒に成長していきましょう。
 最後になりましたが、この喜びの日に御臨席賜りましたご来賓の皆様に、高いところからではありますが、お礼申し上げます。年度始めの何かとお忙しい中、本校の入学式の時を御一緒いただき、感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
 保護者の皆様にひとことご挨拶申し上げます。お子様のご入学おめでとうございます。式辞の中で既にお話しさせていただきましたが、本校は各教科の授業を通して知識を伝えていくことはもちろんですが、生徒たちの心を育てることを大事にしています。生きていく上で、人間として大切なこと、物事を選びとり、また具体的に動いていけるようにという願いを持って、教育活動を通して伝え続けたいと考えています。そのためにこの学校のおもいをよく理解して下さり、信頼を持ってご相談ください。親・子供・教師が信頼の中で、共に歩み、育つことを目指したいと願います。何卒よろしくお願い致します。
 これをもちまして、式辞と致します。 

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