今年度の学校クリスマスのテーマが決まりました。

2015年度 学校クリスマステーマ「地に平和」

 10月19日(月)7時間目に全校生徒が武道場に集いました。ろうそくだけが灯された空間でクリスマスソングを聞きながら,しばらく静かな時間を過ごし,心を学校クリスマスへと向けていきました。

 その後,今年度の学校クリスマスのテーマに関する校長先生からのメッセージが読まれました。僅かな時間でしたが,12月23日に行われる学校クリスマスへと気持ちを向け,心をこめてイエス様の誕生をお祝いすることを誓いました。

 

 その後,学校クリスマスの各係(ウォーカソン・デコレーション・メッセージ・クワイア・タブロ)の主任の先生方より,係の内容の説明がありました。

 各教室に戻った生徒たちは,この5つの係から自分にあったものを選び,希望調査書に希望する係とその理由をしっかり書いて提出しました。今年も本校の最大のイベントである学校クリスマスへ向けた活動が始まろうとしています。12月23日(祝)に私たちと一緒にクリスマスのお祝いをしていただけたらと思います。

 

「地に平和」 (ルカ2:14)

 今年のノーベル平和賞は、北アフリカにある小さな国チュニジアの「国民対話カルテット」に決まりました。その受賞理由は、チュニジアで深刻化した宗教や政党の対立は、内戦の危機にあったと指摘し、「対話によって性別や政治信条、宗教に関係なく基本的人権を尊重した憲法を制定して民主的な選挙を行い、平和的な政権移行につなげた。」と新聞に書いてありました。
 また最近話題になっているのが、南アメリカのアルゼンチンの隣にある小さな国、ウルグアイです。その国のホセ・ムヒカ大統領は、世界一貧しい大統領ということで、その記事がインターネットを通じて、多くの人々に読まれています。
 ムヒカ大統領は、自分がもらう給料の90パーセントを慈善事業に寄付し、79才の大統領は公邸には住まず、その国の首都モンテビデオのはずれにある小さな農場で生計をたて、妻と愛犬マニュエラと暮らしています。そういえば、カトリック教会のフランシスコ教皇も、ぜいたくを極めた教皇の住まいを離れ、簡素な公邸で住んでおられます。大統領が物質主義を拒む理由は、農場の花の世話をしたり、野外で仕事したりすることに、自分の情熱を注いでいるからです。大統領は、こうも言っています。「裕福な人々は、世界を自分たちの視点、つまりお金の視点からとらえます。善意で取り組んでいることさえ、その根底にあるのは、お金、経済優先です。」このように書きながら、相田みつをの詩を思い出しました。「奪い合えば足らず、分かち合えばあまる」経済優先になれば、消費主義になり、国民は生きていく上で、お金が必要になります。しかし、物質だけでは、人を幸せにすることはできません。「政治とは、すべての人の幸福を求める闘いなのです。」とムヒカ大統領は公言しています。
 戦後70年を迎えた日本、この夏どれほど多くの戦争映画や討論会が報道で流されたでしょう。天皇・皇后両陛下も南太平洋のパラオ共和国、ペリリュー島の激戦地を訪問され、祈られている姿は、「武器なき世界を」沈黙の中で祈られているようでした。また戦争で心に傷をおった人々の声を聴き、国外のみならず、この夏台風で大きな被害をおった被災者を訪ね、話しかけておられた姿が思い出されます。
 教皇ヨハネ・パウロ2世は、ポーランドで戦争を体験、眼の前で友人、司祭が殺されていくのを見ておられました。それで有名な広島メッセージ「戦争は人類のしわざです。戦争は死です。破壊です。」このことばは、体験からうまれたことばだからこそ、人の心を打つのです。 マザー・テレサは、「愛の反対は無関心」ですと言われています。
 今年のクリスマス、「平和のために働くとはどういうことか」自分たちができる「地に平和」を話し合い、心を込めて具体的な取り組みを進めていきましょう。イエスこそ、人々の中に住み、民衆との苦労を味わい、ご自分の命を差し出し、愛することが何かを示してくださいました。そのために、この地上に生まれて下さったのです。

   2015 学校クリスマス  学校長 玉 手 健 裕

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