校長講話 抄録

おはようございます。

  今週金曜日には創立記念日がやってきます。入学式でもお話したように、ルラーブ神父が教会の敷地内に裁縫伝習所を開かれたのが1907年(明治40年)ですから、今年108年目になります。教会の敷地内で25年。その後市内(現在ローソンがある場所)に出て70年。そしてこの場所に移って、男女共学になって13年目を迎えています。現在までの卒業生の総数は9919名です。ルラーブ神父は学校が教会の敷地内から市内に移るのを機に、ブルトン司教にバトンが渡されました。そして、実際の運営はブルトン司教が創立された日本人のみの女性の修道会で、一番古い修道会で今年100周年を迎えられていますが、その会のシスター方にすべてを託されました。

  ブルトン司教がシスター方にあてた手紙があります。

いつかお約束した暁星生徒の主義を表す格言は次のモノにしたらどうでしょうかと思って…自尊・自知・自制…そしてこれは額に書かせたらどうでしょう。もちろんこの言葉に超自然の意味をつけねばなりません。

  というように文が続いています。みんなの左側にかかっているのが校訓です。ブルトン司教からのものです。当時女子高ですから、良妻賢母を意識させるものが多かった時代に人間の存在の根本を見据えた目線を持つことを生徒の目標に掲げられていたのです。ブルトン司教はすごい人物だと思います。手紙はローマ字で書かれているのですが、自尊・自知・自制は漢字で書かれています。また、教育の民主主義・自由とわがまま・礼儀や規律についても書かれています。ルラーブ神父は学校創立の原点、ブルトン司教は暁星教育の原点だと思います。

  聖書の中に「自分を愛するように隣人を愛しなさい」という言葉があります。「自己中心」自分のしたいことはするけれど、したくないことはしないということは、自分を愛することではありません。自分の利益だけを考え、人のことをかえりみないことをキリストはすすめていません。神の似姿として私たち一人ひとりをかけがえない存在としておつくりになった。と聖書には書かれています。私たちの命はいただいたもの、両親・性別・国・容姿など、自分では選べません。みんな違うのです。一人しかいない私です。世界でただ一人、どうでもいい存在ではない。比較することもできません。一人ひとりが大事な存在です。自分を大事にするとはどういうことでしょうか?大事にするには、自分が何をしているのか、自分にはどんな傾きがあるのか、知ることが必要でしょう。自分を尊ぶということは、自知・自制と深く関係しているように思います。

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