後半を歩くメンバーが合流し、改めて大宮礼拝堂にて祈りを捧げます。
ここでは、能登地域の現状を分かち合いました。まだまだ行政が被災者のニーズを把握できていない地域がある中で、難聴の方や、視力や筋力も弱く歩行困難な方、要介護者や障がいの方など日常生活に支援が必要な方にとって、助けてくださるボランティアの存在はとても大きいです。さらに瓦礫の運搬など、肉体的にも力が必要な支援も多くあります。しかしボランティア人数は7万900人と まだまだ十分な手が回っていません。交通事情やボランティア運営費等、受け入れ態勢が整っていない現状ではありますが、困難な状況のなか、きめ細やかな支援をされている方、被災地が元気を取りもどすための底力となっているボランティアの方々へ祈り、わたしたちが祈りとさまざまな支援を通して支えとなり、次に繋がる一歩を踏み出すための力となることを願い、大宮礼拝堂を出発しました。
そこから11km歩き、16:10頃、岩滝礼拝堂へ到着。
ここでは、メディアではなかなか知ることができない、今の被災地の現状について知りました。災害から5カ月を迎え、鬱や不眠、アルコール依存など、心の不調が現れるケースが増えているそうです。被災直後の恐怖や混乱が落ち着くと、復興に向け被災者同士の連帯感が生まれ、気分が高揚する時期に入りますが、その後、避難生活が長期化していくと、疲労がたまり、無気力になり生活再建に向けた具体的な課題に直面してストレスを感じること人も少なくありません。また仮設住宅入居をきっかけに孤独感を抱く人もいます。被災者は長期的な心のケアが必要になると言われています。実際に県内と全国からと集まった医師を中心とした支援チームが現地に入りましが、今後は徐々に縮小されることになっています、心も体も疲れ果てた人々に、再び立ち上がる力が与えられますように。また私たちも支援が十分に行き渡っていない地域に暮らす人が多くいることを心にとめ、惜しみない協力を通して、ともに生きる絆を深めることができますように。と、心を合わせて祈りました。
そこから8.5km歩き、ゴール地点でもある宮津教会堂へ。
2024年は、能登半島地震によって不安な気持ちでスタートしました。今年に限らず、今の日本は災害、事故、格差社会、孤独、経済不安・・・と暗いニュースばかりです。世界に目を向けても、ウクライナやパレスチナの問題、緊張感の高まる関係性の国々など、先行きが見えないことも多いです。だからこそ、被災地で苦しむ方々のことを祈りながら歩くと同時に、今を生きる高校生の私たちが、何を大切にし、どう生きていくのかをしっかり考え、決断し、平和を創り出す人でありたいと願います。
最後に英神父様がつくられた祈りを味わいながら、歩みを振り返り、長い一日を締めくくりました。
『若者の祈り』
若者の心に聖霊の火を灯してください。
本当に大切なものを見い出し、それを信じていくことが出来ますように。
迷いの中にも、信じる恵みを与えてください。
弱さや苦しみ、困難や失敗があったとしても、いつでも再び立ちあがり、希望を持って歩んでいくことが出来ますように。
行き詰まりの中にも、希望を与えてください。
周りの隣人を心にかけ、愛を分かち合って生きていくことが出来ますように。
無関心と冷たさの中にも、愛を与えてください。
勇気と寛大な心をお与えください。
自分の世界から外に向かって出かけていくことが出来ますように。