東日本大震災復興支援ウォーカソン 実施報告

東日本大震災復興支援ウォーカソン 実施報告

今年も5月2日に東日本大震災の復興支援のために、ウォーカソンを行いました。

5/12(月)時点でスポンサー数 1117、合計金額 737,623になりました。

たくさんのご支援、心から感謝申し上げます。

  今年で4回目を迎える、東日本大震災支援ウォーカソン。東日本大震災から3年経ち、震災の記憶が過去のものになりつつある現状が気がかりです。震災で未だ苦しむ人々と共に、復興に向けて歩みたいと願い、今年も「忘れない・・・ 3.11をテーマに、教員・生徒合計29名は、網野聖堂→峰山聖堂→大宮聖堂→岩滝聖堂→宮津聖堂(距離にして36.2km)を巡礼し、被災地のことをそれぞれが思い、祈りながら歩きました。各聖堂内での祈りは、日本カトリック司教協議会 東日本大震災仙台教区 復興支援室 編集の「東日本大震災復興支援のための祈り」を使わせて頂きました。

【網野聖堂】8:20発

当日は、朝から天気に恵まれ快晴。早朝にも関わらず、教会の方々が網野聖堂の鍵を開けて待っていてくださり、温かい声援をいただきながら21名がスタートしました。8:10から行われたお祈りでは、「ただ歩くのではなく東北のことを考えながら歩こう」と実行委員長から呼びかけがあった後、被災された方々のために祈りました。

  

 「被災された方へ」

今回の大震災・原発事故のための心身の不安を癒せないでいる人々を支え、励まして下さい。

大震災で家族、住まい、仕事、人との交わりを奪われ、自宅、仮設住宅、避難先で不自由で不安な生活をしている方々のために祈ります。

その悲しみ、苦しさ、悔しさを少しでも癒してください。そして心と生活の再建のために必要な、希望と勇気の恵みをお与えください。私たちも祈りでその方々の思いを受けとめ寄り添うことができますように。

どうか悲しみと絶望のうちに沈む人々に、希望の光を注いでください。更に私たち一人ひとりが泣く者と共に泣く者となれますように。

仕事、家族、住まい、友人を失い、支えを見いだせず、自死した人を永遠の平安、喜びが実現している国に迎え入れてください。

被災された方々の心の傷がいやされ、一日でも早く元の生活へ戻ることができますように。また被災していない私たちが、東日本大震災の理解を深め、今私たちができることは何なのかを考え、一人ひとりがそれを実行できる勇気と力をお与えください。一人ひとりの小さな力が集まると大きな力になるということに私たちが気付き、今しなければならないことを考え、行動し、皆で助け合うことができるようにお導きください。

 

【峰山聖堂】10:15着

この日の天気予報での最高気温は26℃。歩くにつれて、段々と暑さが増し、生徒たちも半袖姿に。峰山聖堂でも多くの教会の方々が温かく迎え入れて下さり、疲れた体も心も癒されました。ここでのお祈りは、被災した子ども、高齢の方々など、社会的に弱い立場にある方々のために祈りました。

 「子ども、高齢者、弱者の方へ」

親を亡くした子供たちのために祈ります。心に深い傷を負った子どもたちが、まわりの人たちの助けでつらい現実を受けとめ、これからの人生を前向きに歩んでいくことができますように。主イエス・キリストいつも彼らと共にいて励まし支えてください。

津波や地震で肉親を失った子供たちを支え、励まして下さい。

大震災から長い月日が経っていても、今もなお生きる希望を取り戻すことができずにいる、ご高齢者の方々を顧みてください。家族を亡くした悲しみ、住宅や田畑を奪われた苦しみを、善意ある人々の愛と奉仕によって慰め、癒してください。彼らがその苦しみを通して父であるあなたの存在を感じ、心おだやかな日々を過ごすことができますように。

仮設住宅で疲れている、孤独な老人たちを支え、励ましてください。

弱い立場の方々のために祈ります。病気の方々、介護が必要な方々、ハンディキャップのある方々、赤ちゃん、妊婦さん、外国人の方々、一人暮らしの方々に支援の手が十分行き届きますように。

全てを飲み込んでいった津波、恐怖の体験で失望し、元気を取り戻せない高齢者、子供たち、天涯孤独に追いやられた人たちを支えてください。

 

【大宮聖堂】12:10着

大宮聖堂に着く頃には、メンバーの表情も少し険しくなってきて、疲れが見え始めました。

ここでは、昼食も兼ねて長めに休憩を取り、エネルギーの補給、ストレッチなどをして体を休めながら後半に備えて、気合いを入れ直しました。また、大宮聖堂からは教員と生徒合わせて8名が合流し、一緒にゴールとなる宮津聖堂を目指します。

昼食後のお祈りでは、福島原発事故に関わるすべての方々のために祈りました。

 「福島原発事故に関わるすべての方へ」

今も汚染水漏れが続く福島原発で、放射能を被ばくしながら懸命に復旧作業をしている方々のために祈ります。事故にあうことなく、安全に仕事ができますように。そして将来健康を害することがないようお守りください。

原発事故のため故郷を離れ、避難し、不安定な生活を強いられている人々に、安らぎのある場が与えられますように。そして一日も早くふるさとへの帰還が叶いますように。また地震・津波で破壊された原発の処理に携わっている多くの方々を心にとめて祈ります。身の危険にさらされながらも懸命に今日も働く彼らを被爆からお守りください。

福島第一原発事故で、いまだに放射能汚染の危険にさらされながら働いている人を、支え励まして下さい。

福島の地で人間と自然と家畜との共生の夢を実現され、40年もの歳月を牧場経営に労苦された方がたの上に、あなたのあわれみを注いでください。目に見えない放射能によって丹精された青草は汚染され、牧場から牛の姿が消えて、かつてののどかな牧場の風景は一変してしまいました。私たち人間がおごりを捨て、あなたの創造の素晴らしさに気付き、すべての被造物との共生の中に真の喜びを見いだすことができますように。

 

【岩滝聖堂】16:10着

毎年の山場、12.6kmを歩く大宮聖堂から岩滝聖堂までの長い道のり。新緑の清々しい景色に包まれながらも、足は段々とむくみ始め、体の痛みを感じながら、ようやくたどり着いた岩滝聖堂では、まだかまだかと沿道にまで出て、教会の方々が迎えてくださいました。多くの支えがあってこそ私たちは歩けているのだということを改めて実感し、沢山の方々の思いと共に歩いているという使命感を抱きながら、ゴールである宮津聖堂を目指しました。また、ここでのお祈りでは、社会、政治に対して祈りました。

 【社会、政治に対して】

大震災のために仕事を失い、生活に困窮している人々を支え、助けて下さい。

巨大な津波によって、一瞬のうちに愛する家族・友人の命を奪われ、自分たちの生活(衣・食・住)の全てを失った人々、今なお仮設住宅・避難民のように不安を抱えている方々が、一日も早く安定した生活をとりもどし、喜びを見出すことができますように。また漁業・農業も早く復興しますように。いまだに行方不明のたくさんの人々が永遠のいのちに結ばれ、安らぎのうちに憩われますように。また、彼らを探し続けておられるご遺族の方々にも慰めと明日を生きてゆく勇気が、与えられますように。

大震災から3年が経ち、私たちの記憶は少しずつ風化しつつあります。

その傾向が顕著なのが政治家です。復興基本法などの法律は制定しましたが、最近彼らの口から被災者のことを語る言葉を聞くことができません。今一度彼らが被災された方々の思いに気づき、復興、再生のために有効な政策を実行できるようお導きください。

原発事故を体験しながらも、いまだに原子力に頼らざるを得ない、日本の社会と世界の国々が、もっと近くから被爆者の声に耳を傾けるよう、回心へと導いてください。便利さと利益を求めることを優先し、人類のことも、地球のことも後回しにしがちな私たちをおゆるしください。

 

【宮津聖堂】19:00着

教会の方々や保護者の方々、多くの教員に拍手で迎えられながら、宮津聖堂に全員無事到着。36kmという長い距離を歩ききった達成感に感動し、涙を流す生徒も何人かいました。ゴールで感じた足の痛みは、自分たちが歩いた確かな証拠となり、この一歩一歩の思いが被災地に届けば良いなと感じます。

最後のお祈りでは、被災者支援をしている多くの方々のために、そして私たちが未来のためにできることを祈りました。

 「被災者支援の方々へ、私たちができること」

どうか復興に取り組む人々の心身の健康を守り、特に大きな責任を託された人や為政者がその使命を誠実に果たし、苦しむ人々に応える熱意を持ち続けることが、できますように。

どうか自然の破壊力と放射線から、命を守るために立ち上がる人々が、知恵と勇気をもって力を尽くすことが出来ますように。

被災地の復興に取り組む地域の人々、ボランティア、支援活動を続けている世界各地の人々の活動を支え、絆を強めてください。皆が3.11をいつまでも記憶し、外面的な復興だけでなく、神によって創られた人間としての心を強くし、連帯する心、思いやる心を育み続けていく事が出来ますように。

慈しみ深い神よ、東日本大震災の復興に向かって歩み続ける私たちを導いてください。私たちが目に見える復興に囚われるのではなく、見えないところで悲しんでいる人、苦しんでいる人に寄り添い、共に歩み続ける隣人になれますように。

どうか主と向き合い、自分自身と向き合い、隣人と向き合って行くことを通して人と人とのつながりを正しくし、その絆がより固く深いものとなりますように。

私たち若い世代が、震災を風化させず、後世に伝えていくことができますように。そして心に傷を負った人々を痛みを分かち合い祈ることで希望や活力を届けられますように。

 

  毎年、生徒会主催で行われる東日本大震災支援ウォーカソン。震災から3年という節目が過ぎ、暁星高校でも様々な支援をしていく中で、「継続して取り組むこと」そして「現実から目をそらさず、まっすぐに向き合うこと」の大切さを、生徒たちは先輩方から伝えられ、受け継がなければいけないと考えてくれています。また、今もなお苦しんでおられる方の完全復興まで、忘れないでいつも心にとめることが大切だと考えた時、やはり暁星高校ならではの自分の労力を差し出す形を行いたい、そして全員が様々な形で支援に関わることを大切にしたいということが生徒から挙がり、今年も東日本大震災支援のためのウォーカソン実施を決定しました。
  皆様から頂いた募金については、釜石への活動支援に充てさせていただきます。
  スポンサーとしてご協力いただいた多くの方々、各聖堂で支えて下さった方々、沿道から温かい言葉をかけて応援してくださった方々、多くのお支えに心から感謝申し上げます。私たち暁星高校が行なっていることは小さなことかもしれませんが、継続することで何かが変わることを信じ、これからも復興へ向かう東日本への支援を続けていきたいと思います。

 


5/3付 京都新聞より


5/3付 毎日新聞より

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