10月17日(月)の放課後に,学校クリスマスの係活動希望調査が行われました。まずは,全校生徒が武道場に集まり,クリスマスへ気持ちを向けるために,ロウソクに灯した火を見つめながら,静かな時間を過ごしました。そして,今年の学校クリスマスのメッセージが読まれました。
ウォーカソン,デコレーション,メッセージ,クワイア,タブロの各係の先生たちから係の説明がありました。その後,各教室に戻って希望する係とその理由をしっかり記入しました。係活動の本格始動は11月11日(金)からです。
「新しい人」に
ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎さんが書いた本で、『「新しい人」の方へ』という本があります。この本は人間の生き方に関するヒントが、中学・高校生向けにやさしい言葉で書かれていて、奥さんの大江ゆかりさんが挿絵を描いています。大江さんはこの本の中で、若い人に「新しい人」になることをめざしてもらいたいと言っています。
彼が「新しい人」という言葉に出会ったのは、「新約聖書」のパウロの手紙の中です。大江さんは、キリスト教信者ではありませんが、キリストが十字架にかかって死に、復活して「新しい人」になり、敵意を滅ぼし、和解をもたらしたということに深い意味があると考えています。
今年5月米国のオバマ大統領が現職大統領として初めて広島を訪れ、核廃絶の決意を改めて表明しました。世界中の多くの人々が広島に来て、核被害の悲惨さと平和の尊さを実感し、核廃絶と戦争のない平和な世界を祈願しています。しかし、キリストから2000年たっている現在、世界平和への道のりは極めて深刻な状況にあります。中東でのISの台頭や内戦、難民問題、相次ぐテロ、ウクライナ問題、北朝鮮の核や弾道ミサイル開発など。
国内に目を向けても、特定秘密保護法の制定、集団的自衛権行使容認の閣議決定、憲法改正の動きなど。こういう時代だからこそ、大江さんは私たちに次のように呼びかけています。「敵意を滅ぼし、和解を達成する「新しい人」になってください。「新しい人」をめざしてください。「新しい人」になるほかないのです。そしてそのためには、どんなに思いつめても、まず生き延びていなければなりません。十字架にかかって生きかえった人は、この2000年でただひとりです。そしてこれからの新しい世界のための「新しい人」はできるかぎり大勢でなくてはならないからです。」この大江さんの呼びかけを、私たち一人一人が心にとめましょう。
マザー・テレサは、「平和をもたらすために銃や爆弾は必要ではありません。愛と思いやりの心が必要なのです。神の平和を輝かせましょう。神の平和をすべての人の心にともし、世界中のすべての憎しみと権力への愛着を消し去ってしまいましょう。」と語っています。
これから学校クリスマスに向けて活動しながら、平和をもたらすためにこの世に誕生したイエスのことを思い、わたしたち一人一人が、平和のための「新しい人」になることができるように、神様の助けを願いましょう。今こそ私たちは、アシジのフランシスコの「平和を願う祈り」を声高々に唱えましょう。そして、この祈りが私たち自身のものとなり、世界に広がりますように。
「神よ、わたしをあなたの平和の道具にしてください。」と。