4月8日(水)に新入生31名を迎えて入学式が挙行されました。今年は桜のピークが過ぎたものの,前日の強風にも花びらは散らずにきれいな桜のままで入学式を迎えました。校舎の裏に生えるケヤキも一気に新緑に変わりました。










学校長式辞
今年の冬も丹後では大雪に悩まされましたが、3月にもなると、全く沈黙していた木々に新芽の兆しを見つけ、草花も土をはねのけて、みずみみずしい双葉が顔を出し、生命力を感じさせてくれます。 今日、最も美しい新緑を見せてくれる季節での入学式が挙行できますことを感謝と喜びの気持ちでいっぱいです。
新入生の皆さん御入学おめでとうございます。 新しい学校生活の1ページが開かれることにあらためて喜びと身が引きしまる思いです。 私たち教職員一同、暁星のキャッチフレーズ「一人ひとりと向き合う教育」の精神を心にとめて皆さんと共にスタートしたいと思っています。 そしてこの出会いを通して皆さんの生命が育まれ豊かな実を結ぶようにと祈ります。
さて、本校は、キリスト教の愛の精神を基盤にしたカトリック・ミッションスクールです。明治・大正・昭和・平成・令和と時は移り変わり、今年創立119年目を迎えます。この学校は、明治40年にフランス人宣教師ルイ・ルラーブ神父によって、宮津市内にある、国の重要文化財に指定されているカトリック宮津教会の敷地内に誕生しました。そして、ルラーブ神父は56年間、一度も祖国フランスに帰られることなく、この丹後の地を愛し、神の愛を伝え、全生涯を女子教育に注がれました。 その後、シスター方、神父様方、数多くの先生方の支えと援助の中で受け継がれてきました。 そして今、この地で男女共学24年目を迎えているのです。 共学になっても、「真面目・まっすぐ」の精神は変わりません。 今日みなさんは、いよいよこの学び舎での新しい出会いと体験が始まります。
そして、その主人公は君達一人ひとりです。 みなさんが、三年後にここを巣立っていくとき、良かったと思えるようになるのには、君たちの前向きな姿勢とその成長を助ける先生と保護者の皆さんの協力が必要です。 今日は3つのことを伝えたいと思います。
(一つ目)
先ほど朗読された聖書の箇所は、皆さんの中学校の卒業式にメッセージとして送らせていただきました。「求めなさい そうすれば与えられる。 探しなさい そうすれば見つかる。たたきなさい そうすれば開かれる。」大切なことは、求めること、知りたい、わかりたいと望むこと。そのためには、まず一歩ふみだすことです。 山に登るとき、山の上に立てば見晴らしがよくて、美しい景色を見ることができるだろうと想像できますが、その希望をかなえるには、まず一歩、そしてまた一歩と歩くことです。 狭い道であったり、石ころがいっぱいあったり、急な坂であったり、およそ思っていた景色は見えないかもしれませんが、あるところまで行くと視界が広がり美しい景色が広がっていくのです。
(二つ目)
信頼する心、私たちが本当に成長するために大切なことは信頼するということです。 日々のニュースは警戒しなければならないような悲惨な出来事が続き、知らない間に私たちは人間関係にある距離を置き、狭くなってきているのを感じます。 広がらない守ることばかりが優先されていると思うのです。 従って、自分にとって居心地のいい場所に身を置くことだけを考えてしまいます。 創立者の話に戻りますが、ある時、神父が聖堂でひとりで祈りを捧げられている時、「神父さん、この教会がいっぱいになるのはいつですか?」と皮肉な質問を受けられた時、「300年待ちなさい」と答えられたと本に書かれています。 神父は、自分が生きている時に成果を求められたのではなく、神を信頼して自分の果たすべき使命を黙々と信頼のうちに生きられました。 それは、祈りと人々への奉仕の日々でした。 そして多くの卒業生を世に送り出し、今もキリスト教の精神を伝える学校として息づいているのです。 私たちは、すぐ結果を求めますが、大事なのは日々の積み重ねなのです。 この学校は、地に根を張った、しっかりした人間教育を目指し、また心豊かで暖かい人間を育てたいと願っています。 この学校で真の出会いをして下さい。私たちは君達の能力を引き出し、希望する進路に向かってきめ細かな関わりを持ちたいと思っています。
(三つ目)
暁星が男女共学になって23年たっていますが、この間の社会の変化、とりわけ情報の世界のめざましい発展には目を見張るものがあります。かつて、創立記念日にお招きした講師の神父様が「携帯をもったサル」というお話をしてくださったことを折にふれて思い出します。 駅のプラットフォームですわりこんで携帯を使っている高校生たちをそのように例えられたのです。 ひと時も携帯やスマホから離れられない。まわりに人がいっぱいいても言葉をかけ話さない。ゲームから卒業できない。大変な現実です。 ゆっくり物事を考えたり、身体を動かし汗を流すことを忘れはじめているのではないでしょうか? この学校は、君達にたくさんの体験やチャンスを与えます。どうぞチャレンジして下さい。 そして、いままで気づかなかったことに気づき、知らなかったことを知って下さい。 自然豊かなこの地で、自然からまた人との交わりの中で、たくさんの体験をして下さい。 この学校でのチャンスを、この学校でのさまざまな学びや体験へのチャレンジを通して、みんながチェンジしていくことを希望します。
最後になりましたが、この喜びの日に御臨席賜りましたご来賓の皆様に高いところからではありますが、御礼申し上げます。 年度始めの何かとお忙しい中、本校の入学式の時をご一緒いただき感謝申し上げます。 本当にありがとうございます。 保護者の皆様に一言ご挨拶申し上げます。 お子様のご入学おめでとうございます。 式辞の中で既にお話させていただきましたが、本校は各教科の授業を通して知識を伝えていくことはもちろんですが、生徒たちの心を育てることを大事にしています。 生きていく上で、人間として大切なこと、物事を判断し選びとる力と勇気をすべての教育活動を通して伝え続けたいと考えています。 そのために保護者の皆様の御理解とご協力がなければ育てることはできません。 親・子供・教師が共に育つことを目指したいと願っています。 なにとぞ、よろしくお願いいたします。 これをもちまして、2026年度入学式の式辞といたします。



