10月14日(火) 3年生対象 総合探究「主権者教育」

 講師に、京都府立大学公共政策学部教授の窪田好男先生とアシスタントの大西将照さん(M1)、オンラインで東京通信大学人間福祉学部講師の池田葉月先生をお招きして、3年生のために「主権者教育」を実施しました。

 はじめに、池田先生から「主権者の代理人としての政治家」というタイトルで事前講義をして頂きました。政治家は国民に選ばれた代理人であり、代議と統治の役割があるが、その一方で、当選しても、政党に属することで生じる制約の中で政治活動を行っていかなければならないことや、国民の、あるいは自分自身の思いをそのままに政策に投影することが難しいことも教えて頂きました。講義をお聞きする中で、雲の上の存在だと思っていた政治家の方々も、所属する政党の方向性を意識したり、身近な人から影響を受けたりする、浮き沈みある一人の人間であり、決して遠い存在ではないという新しい視点を頂きました。生徒たちにとってはスピード感のある大学の講義が、難しいながらもとても新鮮だったようです。

 次に、二人一組で「政治家人生すごろく」のマップを囲んで、いよいよゲームスタートです。サイコロを振って出た目の分進み、政治家としての人生を歩みます。人生なので様々なことが起こり、良くも悪くも精神的に影響を受け、それぞれゲーム内でポイントが溜まっていきます。ゲームでは争点ありの選挙が三回行われる設定で、生徒たちは二択で自分の立場を表明し、グループ内で多数決の選挙が行われ、それによって当選あるいは落選しながら、最終のゴールを目指します。非常に盛り上がった政治家すごろくゲーム!!挑戦した生徒たちの感想文を一部抜粋し、ご紹介します。

「家族の反対があったり、周囲から嫌がられることがあるのが意外だった。/一般の人が何気なく行う結婚も政治家にとってはリスクのあるものだと分かった。/選挙に当選しなかったときも、学ぶ機会があって、再チャレンジできることが分かった。/選挙で勝つためにはやっぱり空気を読んでしまって自分のやりたいことを出来ないものだなと思った。/楽しかった!/選挙の争点で、自分が正しいと思うものを追求し考えるだけでなく、周りの反応を見て多数派に行った方がうまくいくことが多かったので、複雑だった。/利益を優先するとDMPが溜まってしまって最後に闇に落ちるけど、周りのことばかり考えると当選しなかったりして、クリーンな政治家でいるのは難しいと感じた。/政治家同士の煽り合いもあってリアルな人生を体験できた。/なかなかうまくいかないものだと思った。/プラスのポイントを稼ぐ方が難しいと分かった。」

 今回頂いた講義を糧に、18歳を迎える生徒たちと「これからの未来をどのように生きていくか」というテーマで総合探究をスタートしたいと思います。

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