オープンスクールⅡ

 10月16日(日)にオープンスクールⅡが行われました。たくさんの中学生の皆さんにお越しいただきありがとうございました。

 今回のテーマは「在校生と卒業生が語る暁星教育」。在校生からは3名の生徒たちが「個別指導」「体験」「福祉の取り組み」の3つをテーマとして自分たちの体験を語りました。卒業生は2名それぞれが3年間の体験によってどのように成長し,それらがどのように今に生かされているのかを語ってくれました。全体会のあとは50分の体験授業もあり,夏よりもさらに暁星教育がより分かっていただけたのではないでしょうか。

 

 

次回は11月13日(日)9:30〜11:30に学校説明会が行われます。2回目,3回目の方はもちろん,まだ参加したことがない方もどうぞご参加ください。

卒業生のスピーチを紹介します

 今回は私がこの学校で得た経験や、今に至るまでに感じたことを、進路を考えている皆さんにお伝えしたいと思います。

 そもそも、私が暁星を志望した理由は2つあります。まず1つ目は、私の祖母が本校の卒業生だったからです。祖母はいつも「暁星におるときが1番楽しかった」と口癖のように言っていたので、いったいどんな学校なのか、幼いころから興味をもっていました。そして、2つ目は、入試前の個別面談で言われた「オール3で満足していていいのか」という玉手校長先生の一言が心に響いたからです。中学生の頃、私は成績表が返ってくるたびに、正直「オール3だしまぁいいか」と思っていました。ですが、まだ受験すらしていない高校の校長先生がおっしゃったこの言葉が、当時の私にはとても響きました。そして、ここでなら変われるかもしれない、変わりたい、やれるだけやってみたいと思い、受験を決意しました。

 さて、「自分の可能性を最大限引き出したい」という思いで過ごした3年間。東日本復興支援ボランティア、釜ヶ崎体験学習、そして、2年生で生徒会の会計・3年生で副会長をさせていただきました。いろいろと挑戦した私の決意の背景には、担任の先生の支えがありました。入学当時の私は、心の中で思っていることがあっても、中々それを言葉にして相手に伝えることができませんでした。言葉にすることで、否定されたら・相手に嫌われたらどうしよう、という不安感を抱いていました。そんな中での担任の先生と面談で、心の内を話したときに「あなたが思っていることは正しいから」と言われ、ありのままの私を受け入れてくださったと感じ、先生に対して安心と信頼を抱きました。

 そんな私に新たなミッションが待ち受けます。なんと宮津市で行われる「人権市民の集い」の司会をすることになりました。人権に関する作文やポスターの授賞式と記念講演の司会でした。司会と言っても、ただ原稿を読み上げるだけではありません。リハーサルでは職員の方からイントネーションの指導を受けるなど、本格的なものでした。初めてのことに緊張感が高まっていた本番前日、担任の先生から応援のメッセージカードをいただきました。これは本当に嬉しかったです。「あなたは大丈夫だから!行っておいで!」とグッと背中を押してくださる先生や友達が周りにいる環境は本当に恵まれていると思いました。忙しさの中で挑戦し、何度も練習して努力していたからこそ、充実感を味わうことができたと思っています。また、「なんでもやってみるもんだ!」という考えに辿り着き、その後の活動も前向きに取り組むことができました。

 そして、卒業後、幼児教育保育学科のある短大に進学し、勉学や実習に励みました。ピアノは苦手意識があったので、時間を見つけては1人用のピアノ練習室にこもり、練習を重ねたこともありました。また、学友会(中学・高校での生徒会のようなもの)に立候補し、会長に指名されて、22人の仲間と共にオンラインイベントを成功させることができました。急に、学生全体の前で挨拶を求められることもありましたが、予想以上に落ち着いて話すことができたのは、暁星での何度も人前で話す経験のおかげだと思いました。

 それでは最後に、ここで過ごした毎日が、今の生活や仕事にどう生かされているかを、みなさんにお伝えしようと思います。私は保育園で3歳児の担任をしています。まず毎日の掃除を怠ることなくしていたことで、保育室を清潔に保ち、他の先生方からもきれいだとお声掛けいただきます。無心で草取りをする時間があったことで、運動会前の園庭の草取りも苦ではありません。オープンスクールでは在校生として案内係になり、誰にでも笑顔で挨拶をし、困っている方がいたら声を掛けることが当たり前になったので、送り迎えの保護者の方や業者の方に対して「おもてなし」の気持ちを忘れることはありません。

 この暁星という小さな社会で学ぶことは山ほどあり、また、失敗しても、間違えても、何度でもやり直すことができると私は思います。私の経験上、中学時代は好き勝手、自分のしたいことをして、嫌だと思うことは避けて過ごします。一方で、社会人になると「時間を守る」「清潔感のある身だしなみ」「丁寧な言葉遣い」などのルールが、当たり前に目の前にたたきつけられます。大学では、年齢も幅広く沢山の学生がいるため、一人ひとりに丁寧に「時間は守ろうね!今回は大目に見るよ」なんて言ってくださるところはありません。だからこそ、高校時代に、失敗してもまだやり直せるこの期間に「当たり前のことを当たり前にする力」を身に着けておくことが、みなさんのためになると私は思います。そして、ここには、それを支えてくれて、「やる気」を引き出すのが上手な先生方がいらっしゃいます。勉強はもちろん、学校生活全般においても、です。真剣に向き合い、正面からぶつかってきてくれる先生方に対して、「なにくそ~!」とやる気を抱く生徒や「あれこれ言われるのはもう面倒くさい!」と吹っ切れて取り組む生徒。そして、私のように単純に「先生が言うならやってみようかな!」と思う生徒もいます。どのタイプの人もそれぞれに成長をしてきたことでしょう。ここに来れば、変わりたい人、可能性を広げたい人はきっと叶うと私は信じています。

 

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